生活

食事と健康のエビデンス - あなたの食事は健康的?

健康的な食事

 

この記事の重要メッセージ

健康的な食べ物には共通点があります。

健康的な食事で得られる健康とは、脳卒中や心臓血管疾患になりにくくなり、ガンを生じにくくなり、肥満になりにくくなることです。
これらはいずれも健康で価値ある人生を長く得る結果に繋がります。

炭水化物であれば繊維質が豊富な食材が健康に良く、加工した糖が多いものは避けたほうがよいでしょう。

タンパク質は植物由来のものが、動物由来のものに比べて健康寿命の向上に役立ちます。

脂質であれば飽和脂肪酸は健康に役立ちますが、不飽和脂肪酸は逆に病気のリスクを増加させます。

日本人の食生活は塩分過剰なので、可能な限り塩分が少ない食事を心がけましょう。

 

『健康的な食事』とは?

皆様も『健康的な食事』について漠然としたイメージをお持ちだと思います。
『健康的な食事』について、一般的に言われていることを列挙してみます。

  • カロリーをとりすぎない
  • 塩分を控える
  • 脂肪分を控える
  • お菓子などの甘いものを食べすぎない
  • 野菜を多く食べる
  • 日本食は体に良い

これらは医学的に確認された事実と大体合っていますが、正確ではないものも混ざっています。
1日にとるべきカロリーはどれくらいでしょうか?
甘いものを控えるというのは、フルーツも控えるのでしょうか?
日本食の代表である白米は、健康的な食事なのでしょうか?

食事は運動と並んで、健康管理のためにきわめて重要な要素です。
この記事では『健康的な食事』の要素が、どのように健康に良い影響を与えるかを説明します。
エビデンスに裏付けられた健康的な食事ができるように、皆様に知識をお伝えします。
皆様がこの記事を読んで得られるものは、医学的に『健康的な食事』といえる食事を実践できる知識です。

その前に少しだけ、言葉の解説をします。
摂取(せっしゅ)する、摂(と)る、これらは食べる・飲むことと同じ意味です。
食事として口から体内に取り入れることです。

 

『健康的な食事』が何かを知る意味

筆者が考える意味は、『健康的な食事とはどのようなものかを自分で判断できるようになること、そして望ましい食事習慣を続けることができるようになること』です。

漠然としたイメージで健康的な食事をとるのも悪くないでしょう。
しかし、その理由や効果(どれくらい病気を避けられるのか)を知って食事習慣を身につけることにはメリットがあります。
それは偽情報に流されない、ブレない食事習慣を身につけられることです。

情報が多く、流行りの健康食も変化し続けています。
これまで流行っていたスーパーフードは、科学的に健康に利益を与えることが示されていたのでしょうか。
1年後も多くの人に食べられているのでしょうか。

『緑や黄色の野菜をたくさん使ったサラダ』が常にヘルシーな食事と言われ続けていますが、このようなサラダが健康管理に良い影響を与えることは確かです。
そしてこれは流行に左右されず、流通量やコストにも大きな変動がなく、確実に多くの病気を避けてくれます。

健康的な食事習慣は、一時のブームで終わらせるものではありません。
人生を通して続けることで、意味があるものであり、効果が最大化されるものです。

『健康的な食事』について、その理由から理解し、この先の長い人生を健康に過ごすためのチカラにしていきましょう!

 

健康的な食事 その科学的な根拠

健康的な食事について、効率よく理解するためにガイドラインのチカラを借りましょう。

医学で言う『ガイドライン』とは、数多くの研究で確認された科学的事実を統合し、実践できるようにまとめたものです。
エビデンスの集合体です。
健康的な食事についてのガイドラインによって、肥満も、糖尿病も、心臓病も、脳卒中も、がんも減らすことができます。

当ウェブサイト『Save Book』が拠り所とするガイドラインを紹介します。

 

WHO - Healthy diet

WHO - Healthy diet
世界保健機関が推奨する、健康的な食事についてのまとめです。
コンパクトにまとまっていて、それぞれの推奨項目に科学的根拠を与える論文の引用も示されています。

 

厚生労働省 - 日本人の食事摂取基準

日本人の食事摂取基準 (2020年版) - 厚生労働省
厚生労働省が管轄し、エビデンスをまとめた報告書です。
多くの研究結果を引用しており、日本人の人種や文化の特性に合うようにカスタマイズされています。

これら2つは、Save Bookが『健康的な食事』を説明するために大変有用です。
しかし一方はシンプルですが英語、もう一方は日本語ですが膨大で複雑。
いずれも科学的根拠に基づいた知識を扱っており、これらを多くの人が実践できるようになると、世界にとって非常に大きな利益となります。
これらの強力な知識を皆様が使えるように変換して提供します。

 

健康的な食事 重要な事実と原則

ここからはどうすれば健康的な食事をとることができ、それが私達に何を与えてくれるのかを説明していきます。

 

健康的な食事の恩恵

健康的な食事は栄養不良を解決してくれます。
そして糖尿病、心臓病、脳卒中、そしてがんになる可能性を減らすことができます。

日本人の多くは栄養不良ではなく、むしろ栄養が過剰な状態が問題になります。
普通に生活しているレベルで食事をしているのであれば、個々の栄養素が欠乏することはありません。
したがって、日本人には特定の栄養素を目的として、特定の食材やサプリメントを摂るメリットは少ないといえます。
妊娠を希望している方にとって、葉酸をサプリメントで摂取することは推奨されますので、かかりつけの産婦人科医と相談してください。

過剰な栄養、かたよった食事によって発症しやすくなる病気があります。
それが糖尿病、心臓病、脳卒中、そしてがんです。
これらのリスクを減らすために、バランスの良い食事、そして体に良い食事が重要になります。

 

人生の早い時期から健康的な食事をとる

上記で紹介したWHOの推奨には、乳児期から母乳で栄養を摂ることが挙げられています。
ここでは母乳栄養についての詳しい話には踏み込みません。
ただ簡単に、母乳で栄養を与えることには、健康な成長と精神発達、将来的な肥満や生活習慣病の予防、といったメリットがあります。
これらのメリットは医学的に確認された、エビデンスのある事実です。

筆者は小児科や産婦人科の専門ではありません。
医師として理解できる事実から、母乳栄養にはメリットがある、ということだけお伝えします。
育児をする母親の負担は大きく、完全な母乳栄養を追求することがさらなる負担になる場合がある、とも考えています。
可能な範囲で母乳で栄養を与え、そうでない部分は人口ミルクを併用することも良いでしょう。
母親にかかるストレスを減らすことも、よい育児のために大事な要素です。
繰り返しますが筆者は小児科や産婦人科が専門ではありませんので、詳しくはかかりつけのお医者さんや保健師さんに相談してください。

 

摂取カロリーとバランス 栄養源ごとのカロリー

すこし難しく、分かりにくい内容が含まれています。
詳しい話は別にしますので、今は『こういうことも健康的な食事として気をつける要素なんだ』くらいに思っていただければ大丈夫です。

摂取するエネルギーはカロリーと同じ意味です。
食事から摂取するカロリーは、消費する分と釣り合うようにするのが基本です。
食事におけるカロリー計算は kcal (キロカロリー)を使います。

カロリーは炭水化物、タンパク質、脂質から摂ることができます。
1gあたりのカロリーは、おおよそ以下のとおりです。

  • 炭水化物 1g = 4kcal
  • タンパク質 1g = 4kcal
  • 脂質 1g = 9kcal

そして目安となる1日の摂取カロリー量は、成人男性の場合 2,300〜3,000kcal、成人女性の場合1,700〜2,300kcalです。
高齢者になると男性は1,800〜2,100kcal、女性は 1,400〜1,650kcalが目安です。
もちろん年齢や体重、身体活動の多さによって異なります。
そして体重を減らしたい(増やしたい)場合も異なります。
これらについては別に説明します。
ここでは細かいことは抜きにして、1日 2,000kcalを摂取する人を基準に説明します。

カロリーは炭水化物、タンパク質、脂質から摂ることになります。
その割合の目安は、炭水化物が45〜65%、タンパク質が10〜35%、脂質が20〜35%です。

ただし健康に気をつける場合、脂質からのカロリー摂取量は、全体の 30%以下にしましょう。
そうすることで体重増加、肥満を防ぐことができます。

飽和脂肪によるカロリー摂取量は全体の 10%以下、トランス脂肪によるカロリー摂取量は全体の 1%以下にしましょう。
そしてそれらは可能な限り不飽和脂肪に置き換えましょう。

飽和脂肪、トランス脂肪、不飽和脂肪といった用語は難しいものです。
医師もしっかり理解していないくらいのものだと考えてください。
ここでは『脂質の中にも体にいいものと悪いものがある』くらいの認識で大丈夫です。
脂質についても、身体によいものと悪いものを分けて、別に説明します。

 

糖分を食べる量を減らす

製品化された食べ物には、味付けのために多くの糖分(砂糖)が含まれています。
これらの加えられた糖分によるカロリーは、全体のカロリー摂取量の10%以下にしましょう。
可能なら 5%以下にしましょう。

糖分は炭水化物です。
米やパンと同じ炭水化物ですが、糖分(グルコース)は炭水化物のカロリーの由来になるものです。

砂糖は工業的に精製された糖分で、肥満や糖尿病を発症する可能性を増加させます。
炭水化物は米やパンで摂ることが多いですが、その中でも白い米や白いパンでなく、玄米や茶色いパンで摂ることが健康には良いです。
その理由についても別に説明します。

 

減塩する

1日に摂る塩(食塩)の量は 5g以下が推奨されます。
日本人は 6g以下が推奨されます。

日本人は味噌汁、漬物、塩焼きなどの食文化を持っており、食塩を摂取する量が多い民族です。
その食文化も考慮して、WHOの推奨が 5g以下であるのに対して、日本の厚生労働省は 6g以下を目標としています。

1日に必要な食塩の最低必要量は 0.5g程度と言われていますが、日本で食事を摂っていると 1.5gを下回ることは通常ありません。
通常は欠乏することがないということです。
食塩の摂取量はできるかぎり少なくなるようにしましょう。

 

ライフステージごとに推奨される食事

ここからは具体的に、どのような食事をすればよいのかを説明していきます。
人生のステージごとに、推奨される内容が少し異なります。

 

成人に推奨される食事

果物、野菜、豆類、ナッツ、全粒穀物を摂りましょう。

果物と野菜はビタミンと微量栄養素、繊維質が豊富で、心臓血管病や脳卒中を減らしてくれます。
豆類はタンパク質と繊維質のバランスが良く、これも心臓血管病や脳卒中を減らしてくれます。
ナッツもタンパク質が豊富で、全ての原因による死亡率を減らしてくれます。

全粒穀物とは精製していない、収穫した状態に近い穀物のことです。
米であれば玄米です。
精製した白米よりも、玄米の方が健康には良い米です。
パンも白いパンではなく、全粒粉で作られた茶色いパンが健康的です。
オーツ麦、オートミールなども全粒穀物の例です。
全粒穀物は炭水化物とともに繊維質を摂ることができ、心臓血管病、脳卒中、一部のがんを減らし、すべての原因による死亡率を減らしてくれます。

これらのエビデンスは別に説明します。

 

1日 400gの野菜、果物を食べる

野菜と果物は、健康に良い影響を与えます。
そして野菜も果物も、同じような良い影響を与えます。

注意があります。
ここで言う野菜は、『ジャガイモとサツマイモは除く』ことです。
WHOの推奨ではキャッサバ芋(タピオカの原料)も除く、とされていますが、日本では一般的な食べ物ではありません。
ジャガイモ、サツマイモはデンプンが多く含まれている野菜で、米やパンなどの炭水化物に近いものです。

もう1つ注意があります。
野菜も果物も、素材に近い状態で食べることを推奨します。
フレッシュなサラダや、カットしただけのフルーツとして食べることで、健康に良い影響を受けることができます。
油で揚げた野菜のことではありません。
また野菜ジュース、フルーツジュースのことでもありません。
ジュースは繊維質が取り除かれて、糖分が加えられていることが多いので、別物と考えたほうが良いでしょう。

 

人工的な糖分を減らす

砂糖に代表される糖分を減らすことを前述しました。
WHOの推奨では『フリー・シュガー (free sugars)を 1日 10g以下に減らす』としています。
フリー・シュガーは WHOが定義している言葉で、一般的に使われる言葉ではありません。
ここでは一般の方に知識として使ってもらえることを目的としていますので、フリー・シュガーに近い意味で『人工的な糖分』と表現します。

人工的な糖分は砂糖、果糖、ショ糖などの食品産業に使われるものです。
また完全に人工的とは言い難いですが、ハチミツ、シロップ、フルーツジュースの糖分もフリー・シュガーです。

WHOは1日に 2,000kcalを摂る成人について、人工的な糖分を1日 10g以下 (ティースプーン 12杯以下)、可能であれば 5g以下にすることを推奨しています。

人工的な糖分ではないもの、フリー・シュガーにあたらない糖分とは何でしょうか?
それは食材に含まれる炭水化物のことです。
米や小麦に含まれる炭水化物も糖分ですが、この場合は人工的に精製した糖を摂っていることにはなりません。
先程の全粒穀物の話と合わせると、人工的な糖分よりも米やパン、可能なら玄米や茶色いパンで糖分として炭水化物を摂取することが良いと言えます。

 

脂質の摂取を最適化する

脂質によるカロリー摂取は、摂取する全てのカロリーの 30%以下にするのが望ましいです。
1日 2,000kcalを摂取する人なら、 30%にあたる 600kcal以下にするべきでしょう。
脂質は 1g = 9kcalなので、66g以下にするということです。

そして摂取する脂質の種類も重要です。

健康的な脂質とは、不飽和脂肪 (unsaturated fats)です。
飽和脂肪 (saturated fats)、トランス脂肪 (trans-fats)の過剰摂取は健康には良くありません。

摂取する脂質は、なるべく多くを不飽和脂肪にすると健康に利点があります。
そして飽和脂肪はカロリー全体の10%以下、トランス脂肪はカロリー全体の 1%以下の摂取量にすることが推奨されています。
つまり飽和脂肪 200kcal (22g)以下、トランス脂肪 20kcal (2.2g)以下になります。

それぞれの脂質がどの種類になるかについては、あまり馴染みがないと思います。
まずはカラダに良い不飽和脂肪は何に含まれるのかを紹介します。

■不飽和脂肪を含む食物
魚、アボカド、ナッツ、ヒマワリ、大豆、キャノーラ、オリーブ

イワシやサンマなどの油が多い魚は良いですし、それらを原料とした魚油も良いです。
調理にはなるべくキャノーラ油、オリーブ油を使うと良いでしょう。

 

続いて減らしたほうが良い飽和脂肪、トランス脂肪は何に含まれるのかを紹介します。

■飽和脂肪を含む食物
油の多い肉、バター、パーム油、ココナッツオイル、クリーム、チーズ、ギー (ghee)、ラード(豚脂)

■トランス脂肪を含む食物
調理済みで販売されている焼いたりフライしたりしている食べ物
パッケージにされたお菓子や食べ物:冷凍ピザ、パイ、クッキー、ビスケット、ワッフルなど
クッキングオイル
スプレッド:マーガリン、ショートニング、ファストスプレッド
ウシ・ヒツジ・ヤギなどに由来する肉や乳製品

 

おいしいもの、楽しみのために食べるものには脂質が含まれていることも事実です。
それらの脂質は、飽和脂肪やトランス脂肪が含まれていることが多いです。
ここで説明した内容は、少しでも逸脱すると不健康となってしまうようなルールではありません。
たまには楽しみや人付き合いのために食べることもあるでしょう。
その際には、少しくらい飽和脂肪やトランス脂肪が過剰になっても良いと思いますが、生活全体の中で過剰にならないように調節しましょう。
ここでの情報が健康的な食事を摂るための一助になれば嬉しいです。

 

塩分を減らす

先に述べたように、日本人の食事は塩分が過剰になりがちです。
1日に摂取する食塩の量について、日本の厚生労働省は 6g以下、WHOは 5g以下としています。
目安はティースプーン 1杯分の食塩が、1日の上限です。

食塩が過剰になると、生じる問題が高血圧です。
高血圧は血管に負担をかけ、動脈硬化の原因になります。
動脈硬化は心臓血管病や脳梗塞のリスクを上昇させます。

 

子どもに推奨される食事

2歳までの食事は、心身ともに健康な成長にとって大事です。
人生の早い時期からの健康的な食事をとることが、将来的な肥満や生活習慣病を避けることに役立ちます。

子どもにとっても健康的な食事とは、成人の場合と同じです。
家族で健康的な食事をとり、家族で健康な人生を手に入れましょう!

子どもにとって特に大事な事柄として、 WHOは以下の項目を挙げています。

  • 生後 6ヶ月までは特に母乳での栄養を重視する。
  • 2歳過ぎまでは母乳を与えたほうが良いだろう。
  • 生後 6ヶ月以後は、母乳に加えて栄養豊富な食べ物で栄養を補うようにする。それらの食べ物は塩分と砂糖の添加を避ける。

先にも述べましたが、筆者は小児科や産婦人科の専門ではありませんので、ここではWHOの推奨をそのまま説明するに留めます。
とは言っても、完全に母乳での栄養にすることが全ての面で最適となるとは限らない、とも考えています。
生きて生活しているのは子どもだけではなく、母親も同じです。
母乳での栄養にこだわりすぎるために、母親の負担が過剰になることも問題だと思います。
母乳はしっかり与えつつも、人口ミルクを併用して無理なく栄養を与えるのが良いのではないでしょうか。
これについては、産婦人科医や保健師さんと相談しながら決めていきましょう。

 

健康的な食事の実践

ここまでに健康的な食事として、考えるべき要素について説明しました。
ここからは日々の食事を健康的にするための内容を説明します。

健康的な食事は1回で終わりではなく、人生を通して継続することが必要です。
ここまで読んできた皆様はもう、健康な食事をしながら人生を送るチカラを手に入れています!

 

果物と野菜

1日に食べるべき果物と野菜の目安は 400gです。
食事の品数で言うと、5品です。
十分な果物と野菜を食べる生活は、生活習慣病を減らしてくれます。

そのために、以下のように生活を変えてみましょう。

  • 食事にはいつもサラダやカットフルーツなど、果物と野菜を含める。
  • 間食としてお菓子の代わりに果物や野菜を食べる。カットフルーツやニンジンスティックなど。
  • 旬の果物や野菜を食べる

あなたはこのチャレンジに成功できるはずです!

 

脂質

脂質によるカロリー摂取量は、全体のカロリー摂取量の 30%以下にしましょう。
これによって肥満や生活習慣病を避けることが出来ます。

  • 飽和脂肪によるカロリー摂取量は、全体のカロリー摂取量の10%以下にする。
  • トランス脂肪によるカロリー摂取量は、全体のカロリー摂取量の1%以下にする。

好ましい脂質について、アメリカ心臓協会 (AHA)は、大豆油、とうもろこし油、ひまわり油を推奨しています。
また大豆や豆腐、キャノーラ、クルミ、アマニ油を推奨しています。
アメリカ心臓協会が豆腐を推奨しているなんて、日本人としては嬉しいですね!

 

また摂取する脂質を最適化するための方法として、以下のものが挙げられます。

  • フライする代わりに、蒸したりボイルしたりする。
  • バターやラードを使用する代わりに、大豆油、キャノーラ油、とうもろこし油、ベニバナ油、ひまわり油を使用する。
  • 乳製品は脂肪分を減らしたものを摂る。肉を食べる時は脂身を取り除く。
  • 焼き菓子やフライした食べ物を減らす。ドーナッツやケーキ、パイ、クッキー、ワッフルなどを減らす。

楽しみや人付き合いのために おいしいものを食べることも良いでしょう。
ここで紹介している内容は、何があっても絶対に従うべきものではありません。
大事なのは、不健康な食べ物が生活全体の中で過剰にならないようにすることです。

ミネラル

ミネラル(塩類)には塩やカリウムが含まれます。
一般的には人々は食塩が過剰な食生活になっており、特に日本人は過剰になりがちです。
反対にカリウムは少なくなる傾向にあります。
塩分が過剰、カリウムが不足、これらはいずれも心臓血管病や脳卒中のリスクになります。

WHOの発表では、すべての人が食塩を 1日 5g以下にすると、毎年 170万人の命が救われるとされています。

塩分は自分で加えなくても、調理済みの食料品に含まれていることが多いです。
ベーコンやハム、サラミなどの加工肉、塩味をつけたお菓子やパン、ブイヨンや醤油には多くの塩分が含まれています。
日本人特有の食事である味噌や漬物、塩焼きなどには塩分が多く含まれています。

食塩の化学的名称は塩化ナトリウムです。
塩素 (Cl)とナトリウム (Na)が結合した物質です。
ClとNaはほとんど一体になって我々の身体を出入りします。
食品の成分表示について、ナトリウムが塩分を示していると考えれば間違いないでしょう。

塩分を減らすには以下のことに気をつければ大丈夫です。

  • 調理する時に、塩分を多く含む醤油やブイヨンを減らす。
  • テーブル調味料として食塩や塩分を含むソースを使わない。
  • 塩味の強いお菓子を避け、減塩したものを選ぶようにする。

またカリウムは血圧の上昇を防いでくれます。
ナトリウムが持つ血圧上昇作用を和らげる効果があります。
カリウムは野菜や果物に多く含まれていますので、その意味でも野菜や果物を多く摂ることは健康に役立ちます。

カリウムについて、腎臓病の方は摂取量が過剰にならないようにしなくてはいけません。
腎臓病の方は腎臓内科医や栄養士さんに相談し、最適な食事プランを教えてもらうのがよいでしょう。

 

糖分

成人も子どもも、人工的な糖分(フリー・シュガー)によるカロリー摂取量は、全体の 10%以下にしましょう。
1日に 2,000kcalのカロリーを摂取する人は、人工的な糖分によるカロリーは 200kcal以下にします。
これは砂糖 50g、ティースプーン 12杯分です。
可能であれば、さらに半分にします (1日 100kcal以下、砂糖 25g以下)。

人工的な糖分によって引き起こされる健康上のリスクは以下の通りです。

  • 齲歯(虫歯)
  • 体重増加、肥満
  • 高血圧
  • 高脂血症

フリー・シュガーを減量する方法として、甘いお菓子や砂糖を含む清涼飲料水(ジュース、スポーツドリンクやエナジードリンクを含む)を避けることができます。
市販の紅茶やコーヒーも、砂糖を加えているものは意外と多くの砂糖が使われています。

またフルーツジュースや野菜ジュースで健康を謳っているものにも、多くの人工的な糖分が含まれているものがあります。
果物も野菜も、市販のジュースにしたものよりは、生に近い状態で食べることをおすすめします。

 

まとめ

この記事では健康的な食事についての全体的な事柄を説明しました。
食事は健康づくりにとっても大事で、健康に良い食生活を続けることで様々な病気のリスクを減らせることが科学的に裏付けられています。
ここでは全体的なお話をするために細かなエビデンスを紹介しませんでしたが、それらについては別の記事で説明します。

繰り返しますが、ここで説明したことは少しでも逸脱するとダメというものではありません。
楽しみのために食事をすることもありますので、時々は高カロリーで脂質や糖分の多い食事をすることがあってもよいでしょう。
大事なのは、不健康な食事を続ける代わりに、健康的な食事を習慣にすることです。

重要なことを まとめます。

まとめ

健康的な食事は習慣として続けることが重要。

健康的な食事によって肥満、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、心臓血管病や脳卒中、様々ながんを減らすことができる。

1gあたりのカロリーは 炭水化物 4kcal、タンパク質 4kcal、脂質 9kcal。
脂質からのカロリー摂取量は全体の 30%以下になるようにする。

脂質は飽和脂肪とトランス脂肪を減らし、代わりに不飽和脂肪の割合を増やす。
魚由来の脂質、植物由来の脂質が不飽和脂肪酸に富んでいて健康にメリットがある。

食事において野菜と果物の割合を増やすのが良い。(ただしジャガイモやサツマイモは多くしない)
ナッツもタンパク質と繊維質が多くて健康に良い。

炭水化物として全粒穀物が繊維質に富んでいて良い。
人工的な糖分(フリー・シュガー)を多く含む甘いお菓子、糖分の多い清涼飲料水は減らす。

塩分は 1日 6g以下に減らす。日本人の食事は文化的に塩分が多くなりがちなので注意が必要。

子どもにとっても健康的な食事は成人の場合と同じ。
子どもにとって大事なのは母乳をしっかり与えることで、特に生後 6ヶ月までは重要。
子どもの時期に健康的な食事をしておくことで、将来的な肥満や生活習慣病を減らすことができる。

 

食事は人生の全てにわたって関わる要素です。
健康にも、楽しみにも関わります。

この記事を読んだ皆様は、生涯を通して健康的な食事を摂ることができるようになっています!

  • この記事を書いた人

眞喜志 剛

Save Bookの運営者です。ウェブサイトを通じて、エビデンスに基づいた医学の知識を一般の方も使えるようにすることを目指しています。 救急医、集中治療医。 ドクターヘリで活動するフライトドクター。 2009年 奈良県立医科大学卒業。 2021年 名古屋商科大学大学院ビジネススクール卒業。 日本救急医学会専門医 | 日本集中治療医学会専門医 | MBA

-生活

© 2024 Save Book