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何キロやせる? - やせやすい食べ物と太りやすい食べ物のエビデンス

サラダ

 

この記事の重要メッセージ

体重の増減はカロリーの摂取量と消費量のバランスで決まります。

食習慣として肥満になりにくい食事の内容があります。

炭水化物の割合が多いものや赤い肉は体重増加しやすい食事です。
野菜、果物、ヨーグルトなどは体重増加しにくくなる食事です。

 

はじめに 体重に影響する食べ物のエビデンス

食事において体重に影響する要素はカロリー量です。
摂取するカロリー量が過剰であれば体重が増え、カロリー量が消費量を下回ると体重が減ります。

では食べ物・飲み物によって体重に影響しやすいものがあるのでしょうか?
医学的に体重の増加、または減少に影響しやすい食べ物を調査した研究があります。

この研究は食べ物だけを扱ったものではなく、運動などの生活習慣も含めて調査しています。
わかりやすくするために、この記事では主に食べ物について説明します。

体重を維持する、減少させる原則は『食べすぎず、よく運動する』であることに変わりはありません。
そしてここで紹介する食べ物は、少し食べたり飲んだりしたら体重に強く影響するものでもありません。
それらを食べることが生活習慣になっているかどうかが大事です。

紹介するのは世界で最も権威ある医学誌『New England Journal of Medicine』に掲載された論文『Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men』です。
タイトルをわかりやすく説明すると、『食事と生活習慣の変化が長期間の体重増加に与える影響』です。
(N Engl J Med. 2011: PMID 21696306)

研究について

この研究ではアメリカに住む 12万人の医療関係者を調査しました。
医療関係者は正確なデータをとりやすいので、データベースを作ることができるからです。
3つの集団でデータベースが作られました。
(食べ物と体重のことだけでなく、生活習慣が多くの慢性疾患や発がんに及ぼす影響を長期間で調査するために作られたデータベースです。)

調査対象となった人々の大まかなイメージは、『30〜60歳の男女、BMIは22〜25、運動習慣は1日30分前後の歩行をする程度、飲酒は2日に1杯、1日平均 7時間の睡眠をとる』です。

調査された人々には、調査開始時点で慢性疾患も肥満もありませんでした。
調査した期間は集団によって少しずつ違い、1986〜2006年、1991〜2003年、1986〜2006年です。
『健康で肥満ではない12万人を、約 20年にわたって調査した』研究です。

研究している期間中、4年ごとに生活習慣と体重を確認しています。

 

結果:体重の増減に影響する食習慣

調査の対象者は 4年ごとに体重が平均で 1.5kg増えました。
年月とともに体重は増加する傾向にあります。
そして生活習慣として、体重の増加・減少に関与する要素がありました。

食べ物・飲み物ごとの影響を示します。
1日に1品摂取していたとき、4年間で体重に及ぼした影響を表しています。

ポテトチップス +0.77kg
じゃがいも +0.58kg (フライドポテト +1.52kg)
砂糖の入った飲み物 +0.45kg
加工していない赤い肉 +0.43kg
加工した赤い肉 + 0.42kg
スイーツ・デザート +0.19kg
精製した穀物 +0.18kg
バター +0.14kg
ダイエット(ゼロカロリー)ソーダ -0.05kg
野菜 -0.1kg
全粒穀物 -0.17kg
果物 -0.22kg
ナッツ-0.26kg
ヨーグルト -0.37kg

アルコール 1ドリンクあたり +0.19kg

食べ物・飲み物、アルコールのいずれも、多ければ多いほど体重に与える影響は大きくなります。

チーズ、脂肪分未調整の牛乳、低脂肪に調整した牛乳についても調査されましたが、これらは体重の増減に与える特別な影響はありませんでした。

 

グラフ:食べ物ごとの体重に与える影響

食べ物・飲み物ごとの4年間で体重に与える影響

 

 

このエビデンスの考え方・使い方

この研究結果は特定の食べ物・飲み物を生活習慣に取り入れていると、体重を増加または減少させる影響がある、ということを示しています。
太るから食べてはいけないとか、食べれば必ず痩せるとか、そのようなものではありません。

ポテトチップスやじゃがいも、砂糖で甘くした飲み物(清涼飲料水)を普段から摂る習慣があると、体重が増加しやすいということです。
野菜や果物、そしてナッツやヨーグルトを食生活に取り入れていると、体重を維持しやすくなったり、減らしやすくなります。

一般的に健康的と考えられている食べ物に対して、信頼できる研究によって体重が増加しにくいことが確認されました。

より大事なこととして、食習慣を改善すると体重が減らせることも示されました。
体重が増えやすくなる食べ物を減らし、体重が増えにくくなる食べ物を多く摂るように食生活を変えると、より体重が減ることが証明されました。
今の生活習慣に改善できる点がある人は、改善によって体重を減らせるということです。

体重を減らす簡単な方法ではなく、がっかりしたかもしれません。
しかし日々の習慣を続けると、確実に健康的な体重を実現してくれます。

体重を減らす方法についての研究は、肥満の人々を対象としたものが多いですが、この研究は肥満ではない人を対象にしています。
現在 健康的な体重の人にとっては、健康的な体重を維持する指針になるでしょう。

 

まとめ

多くの人は年月とともに体重が増加していく傾向にあります。
しかし食生活を変えることによって、体重を増加させにくくすることができます。
ヨーグルト、ナッツ、野菜、果物、全粒穀物は医学的に体重を増加させにくいことが確認されました。

この記事を読んでくださった皆様は、信頼できるエビデンスを利用して体重が増加しにくくなる習慣を実践できるはずです!

 

まとめ

食べ物・飲み物の中には食習慣に含めることで、体重が増加しやすいもの、体重が減少しやすいものがある。

ヨーグルト、ナッツ、野菜、果物、全粒穀物を摂る食生活は、体重を増加させにくいというエビデンスがある。

じゃがいも(特にフライドポテトやポテトチップス)、砂糖で甘くした飲み物(清涼飲料水)、赤い肉などを習慣的に摂っていると、体重が増加しやすくなる。

  • この記事を書いた人

眞喜志 剛

Save Bookの運営者です。ウェブサイトを通じて、エビデンスに基づいた医学の知識を一般の方も使えるようにすることを目指しています。 救急医、集中治療医。 ドクターヘリで活動するフライトドクター。 2009年 奈良県立医科大学卒業。 2021年 名古屋商科大学大学院ビジネススクール卒業。 日本救急医学会専門医 | 日本集中治療医学会専門医 | MBA

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